最近、発表された論説、および医事新報の記事をご紹介します。
木下勝之日本医師会理事、樋口憲雄教授(法学者)、河上和雄 元検事、井上清成弁護士 (病院側弁護士)の意見の対比が興味深いです。
以下、本文から文章を書き出して、内容を私なりに整理いたしました。もし可能でしたら、下記の原典の内容もご確認いただければと思います。
最近、発表された論説、および医事新報の記事をご紹介します。
木下勝之日本医師会理事、樋口憲雄教授(法学者)、河上和雄 元検事、井上清成弁護士 (病院側弁護士)の意見の対比が興味深いです。
以下、本文から文章を書き出して、内容を私なりに整理いたしました。もし可能でしたら、下記の原典の内容もご確認いただければと思います。
3月21日、福島地裁で福島県立大野病院事件の論告求刑公判がありました。
多くのニュースサイトで取り上げられています。いくつかのサイトをリストアップいたしました。ロハスメディカルブログ、オーマイニュースでは、経過を追って記録していますので、過去の公判の様子を遡って知ることができます。
検事による論告求刑に「・・よって被告には厳正な処罰が必要である。・・・重い医師としての責任認識が甚だ乏しいとしか言いようがない。被告は地域の社会的な重責を担ってきたとしても、過失は重大である。」とあります。現在、医療関連訴訟の件数は、1996年は575件だったが、2004年には1,110件 と、増加しており、裁判以外の方法で医療事故の被害者を救済し、再発防止を 図る「医療ADR(Alternative Dispute Resolution:裁判外紛争処理)」に注目 が集まっています。
医療事故などのトラブルが起きた際に患者と医療機関を仲介し、対話による紛 争解決に導く「医療メディエーター」の認定制度を手掛ける「日本医療メディ エーター協会」(理事長・高久史麿自治医大学長)が3月7日に発足、設立シン ポジウムが20日、都内で開かれました。
中心メンバーの1人、和田仁孝早稲田大大学院教授(紛争処理論)は「メディ エーターには中立性と十分な知識が求められる。認定基準を設けることで、必 要な技量と自覚を持った専門家の育成につなげたい」と話しています。「診療 報酬で医療安全対策加算だけでなく、メディエーターの配置を評価するなどの 財政的支援をしてほしい」とも話しています。
医療メディエーターについては舛添要一厚生労働大臣も協力的に見てくれてお り、今後の国の支援が期待されます。
ソネットエムスリー「m3.com」の医療維新レポート(2008年3月18日)に鶴巻温泉病院(神奈川県秦野市)の澤田石順医師のインタビューが掲載されています。
このサイトは会員登録制のサイトで登録しないと読めないのですが、是非皆さまも一読いただきたいと思います。
医師が国を訴える、「改定に異議あり」
今改定のリハビリ算定要件を問題視、通知の差し止めを求める
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橋本佳子(m3.com編集長)
「今回の提訴は、火を付けるのが狙い。医療関係者に、リハビリをはじめ医療問題に関心を持ってもらいたい」と語る、鶴巻温泉病院の澤田石順氏。
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鶴巻温泉病院(神奈川県秦野市)に勤務する医師、澤田石順氏が3月18日、国を相手取り、行政訴訟を起した。この4月の診療報酬改定で、リハビリテーションの点数に算定制限が設けられたため、それを定めた通知の差し止めを求める内容だ。
提訴の理由を澤田石氏は、「今改定前も一定日数を経た後は点数が下がるなどの問題があったものの、医学的な必要性が認められれば、リハビリの実施は可能だった。しかし、今改定により医学的必要性があってもリハビリの点数が算定できなくなった。これはリハビリを必要とする重症患者の切り捨てだ」と説明する。その上で、「前回の2006年改定でもリハビリを問題視する方が署名活動を行ったが、それでもあまり効果はなかった。改定実施の4月1日までには時間がないこと、また厚生労働省に一市民が問題提起しても影響はないことから、提訴するのが一番有効な方法だと判断した」と澤田氏はつけ加える。
リハビリの算定日数の制限は、重症のリハビリ患者を受け入れる病院への影響が大きいが、こうした患者を多く抱える病院は少ない。提訴に踏み切ったのは、病院団体を通じた活動が期待できないことも一因だ。
代理人を務める弁護士の井上清成氏は、「療養担当規則には、『リハビリテーションは、必要があると認められる場合に行う』と記載してある。療担規則は省令であり、通知よりも上位の法令に当たる。通知でリハビリの日数制限を行うのは、違法であり無効。憲法25条で定める生存権にも違反している」と法的な問題を指摘する。
3月12日に、厚労省が第13回の「死因究明等の在り方に関する検討会」を開催しました。昨年10月の第二次試案以来、医師の間に反対意見があることが指摘され、第三次試案をまとめることになりました。
なお、検討会において、前田座長がロハスメディカルを名指しして「明らかに議論を捻じ曲げている。」とコメントしたそうです(ロハスメディカルブログ参照)。おそらくは高久史麿自治医大学長もしくは鈴木 寛参議院議員の記事を指してのことと推察されます。
メディアの動きが検討会に影響を与えはじめているのだと感じます。
今回気になったのは『前回の検討会で、厚労省は再発防止に重点を置いた「業務改善命令」や「再教育」などの行政処分を提案し、了承され』行政処分の対象となる事例についての検討が進められていた点です。
舛添要一厚労相が本格的な厚労省改革に乗り出したようです。
今後に期待したいところです。
■閣議後記者会見概要 (H20.03.11(火)09:42~10:02 省内会見室)
http://www.mhlw.go.jp/kaiken/daijin/2008/03/k0311.html
3月10日付けでじほう社( http://www.jiho.co.jp/ )から配信された情報です。
日医が厚生労働省案に賛同していることが報道されています。多くの勤務医が日医に失望するでしょう。
死因究明に関してニーズがあることは賛同しますが、厚労省案の内容に問題があるために地方医師会が危機感を覚えているということが伝わっていません。
厚労省案の問題点は以下のように考えています。
「医療崩壊の現状分析と対策に関する考察」をインターネット上に掲載いたしました。この資料は、当研究室のスタッフが約半年をかけてリサーチしたものです。従来の解釈と異なる資料が多数ございます。現在、進行している医療崩壊をくい止めるため、わが国の医療提供体制に関する国民的議論を深める一助となることを切に願っております。転送、引用は大歓迎です。
引き続きHTML版を作成中ですが、PDF版(概要版/全文)をダウンロードできます。
日本心臓外科学会が医療安全調査委員会の設立に関する声明を出しています。
(http://jscvs.umin.ac.jp/jpn/index.html)
>我々日本心臓血管外科学会は検討会の「医療安全調査委員会の設立」の
>精神を支持し、委員会が真に医療者と患者のためによりよい医療を目指す
>ものとなるようにその成立に向けて努力する。
とありますので、現在の厚生労働省案に賛成という立場を示したと見ています。
日本産科婦人科学会が、「医療事故に関わる諸問題検討ワーキンググループ」(委員長 岡井崇)における検討及び理事会の協議を経て、平成20年2月29日付けにて厚生労働省医療安全推進室に「診療行為に関連した死亡に係る死因究明等の在り方に関する本会の見解と要望」を提出しました。