インフルエンザ騒動:幻に終わった参議院予算委員会の参考人招致

本日の参議院予算委員会は大荒れだったようです。厚労省は、自分たちに都合の悪いことをいう人は国会に呼ばないみたいですね。

参議院予算委員会の様子を朝日新聞が報道しました。新型インフルエンザ騒動の報道では、朝日新聞が一貫して「正論」を吐いていると感じます。私個人としては、「政府の批判をする人は国会に呼ばない」など先進国ではありえないことだと考えます。

 また、今回の一件は、日本をテロ組織に晒したようなものであり、国民はも っと怒ってもいいと思います。


●朝日新聞 2009年5月25日22時6分
与党、水際対策批判した検疫官の出席拒否 野党は反発

http://www.asahi.com/politics/update/0525/TKY200905250417.html

 

●ロハスメディカル:新型インフル 参院予算委で"参考人隠し"
http://lohasmedical.jp/news/2009/05/25145547.php

 

●ソネットm3:幻に終わった参議院予算委員会の参考人招致
5/25号 幻に終わった参議院予算委員会の参考人招致

2009年05月25日

(2009年5月25日16時配信)

 今日(5月25日)、当コーナーでは2本目の記事になりますが、興味深いニ ュースがありましたので、お届けします。

 「政府参考人招致のための書類を提出して、 参考人として招致されなかった ことは私の記憶ではない。本人の了解も得られていると聞いている。その上、 予算委員会の開始が1時間も遅れた。(予算委員会に出席する)4人の大臣を1時 間も待たせるほど、厚労官僚は偉いのか」

 こう厳しく追及したのは、民主党・参議院議員の鈴木寛氏 。5月25日午後1時 から開催予定だった参議院予算委員会は開始が1時間遅れた上、鈴木氏が参考人 招致を依頼した、二人の医師の招致は見送られました。

 その二人とは、国立感染症研究所感染症情報センター主任研究員の森兼啓太 氏と、現役の厚労省検疫官(東京空港検疫所支所・検疫医療専門職)の木村盛世氏。

 森兼氏は、舛添要一・厚生労働大臣が組織した、「新型インフルエンザのア ドバイザリーボード」の4人のうちの1人。また木村氏は、m3.com編集部では何 度も取材させていただきましたが、検疫などの水際対策をはじめ、現在の政府 の対応に厳しい目を向けています(医療維新 『「今の状況は政府が招いた パ ニック」- 厚労省検疫官・木村盛世氏に聞く』を参照)。

 「森兼先生については(併任 している厚労省の改革推進室の) 上司も了承 したほか、舛添大臣の秘書も、2人の招致を了承したと聞いている」(鈴木氏) にもかかわらず、なぜ参考人招致が実現しなかったのか......。

 この点については、「参考人の招致について 、理事会の意見がまとまらなか った。協議の結果、別途、機会を設けて質疑を行う」(予算委員会委員長)と されただけで、具体的な説明は一切ありませんでした。

 木村氏は、先ほど紹介した当サイトの記事のほか、新聞、テレビ、雑誌など で、今回の政府の対策を批判しています。それが国会の場で指摘されることを 政府、厚労省は恐れたのでしょうか。木村氏は、当然ながら「批判」を目的と して発言しているわけではありません。 「新型インフルエンザ対策は国防であ る」という認識を持ち、その感覚に乏しい政府の対応に危 機感を抱いて、問題 視しているのです。木村氏は今日、国会まで足を運んでいますが、 「参考人招 致されていることは、民主党から聞いた。国会や厚労省からは連絡を受けてい ない」(木村氏)。
 
 鈴木氏が「(検疫がいいか悪いかではなく)情報がダブルスタンダードにな っ ていることが問題であり、国民の混乱を招くので、情報を整理してほしい。 厚労省は木村氏から話を聞いたのか」と質したところ、まさに新型インフルエ ンザ対策の現場で指揮を取っている上田博三・健康局長は、「新聞情報として 得ただけで、直接本人からは話を 聞いていない。必要であれば、聞く」「われ われは上司に当たることになるので、話を聞くのであれば、職制とは関係ない 公平な場で聞きたい」などと回答するにとどまり ました。

 そのほか、鈴木氏は、発熱相談センター、発熱外来、PCRの検査体制 の不備 などを問題視、予算の確保の必要性を指摘しましたが、上田氏をはじめ、政府 側の答弁は歯切れの 悪いものばかり。十分な体制、予算が確保されていない現 実が露呈しました。

 なお、昨日(5月24日)、m3.com編集部では木村氏と虎の門 病院泌尿器科部 長の小松秀樹氏との対談を実施しました。明日から連載を開始する予定ですの で、ぜひお読みください。「国会の場で、今回の新型インフルエンザ対策を検 証すべき」というのがお二人の結論です。