東京大学医学部五月祭 公開シンポジウム  ~日本の医療を崩壊させないために~

東大五月祭で医療事故問題が取り上げられるとのことです。
医学生の間でも、大きな関心事になっていることが伺えます。
東京大学医学部五月祭企画
  (ホームページ:http://medmay08.umin.jp/symposium.html
  公開シンポジウム  ~日本の医療を崩壊させないために~
  5月25日(日) 13:00–16:30
  医学部教育研究棟14 階 鉄門記念講堂
  (定員280名 申し込み不要 先着順)
  交通案内:http://www.m.u-tokyo.ac.jp/information/map/gettingto.html
   地図:http://www.u-tokyo.ac.jp/campusmap/cam01_02_09_j.html
  
 
 救急たらい回し、医療事故、医師不足、地域医療、医療費・・・。現在、日本の医療は多くの問題を抱えています。しかし、立場が違えば問題の見方も違ってきます。勤務医と開業医、コメディカル、政治家、行政官、法律家、メディア関係者、患者、そして今のところ医療と直接関わりのない一般の方々・・・。様々な立場から
の意見が入り乱れ、問題の解決をいっそう難しくしています。
   今回、最前線で医療問題に取り組んでおられる様々な立場の方々をお呼びして、医療問題をどうとらえているのかご意見を伺います。そして我々医学生も加わって討論を行い、日本の医療を崩壊させないためにはどうしたらよいのか、皆様とともに考えてまいりたいと思います。
  
  
  プログラム
  13:00 ~ 14:15 パネリスト各氏講演              
  天野 教之 氏 ( 和光市天野医院)
  出月 康夫 氏 ( 東京大学名誉教授、日本外科学会名誉会長)
  鈴木 寛  氏 ( 参議院議員、医療現場危機打開再建議員連盟(超党派)幹事長) 
  豊田 郁子 氏 ( 新葛飾病院セーフティーマネージャー)
  埴岡 健一 氏 ( 東京大学医療政策人材養成講座特任准教授、元『日経メディカル』編集委員)
                                ( 以上五十音順)
  14:30 ~ 16:30 パネルディスカッション ~日本の医療を崩壊させないために~
  司会   東京大学医学部4年生3名
  
  
  ~シンポジストの紹介~
  天野 教之 氏                 ― 開業医の目から見た医療現場 ―
  天野医院院長・医学博士。1958 年埼玉県和光市に生まれる。1987 年弘前大学医学部大学院修了。その後、福島労災病院、弘前大学医学部付属病院を経て、八戸市立市民病院麻酔科医長に就任。1993 年故郷で天野医院を開業し、現在に至る。専門は内科、麻酔科。2006 年子供からお年寄りまで家族そろって診察を受けられるよう、小児科も標榜。開院当初よりすべての患者さんにカルテを渡すなど、早くから情報開示に力を入れ、患者さんとの信頼関係を大切にした診療を続けている。元日本麻酔科学会指導医、元日本ペインクリニック学会認定医。
  
  出月 康夫 氏   ― 問題は医療費抑制・医師の労働環境 ―
  東京大学名誉教授。1934 年東京生まれ。1960 年東京大学医学部卒業。専門は一般・消化器外科。東京大学、ミネソタ大学、聖マリアンナ医科大学などを経て、1984 - 1994 年東京大学医学部第二外科教授。食道静脈瘤手術や、膵臓移植をはじめとする臓器移植手術のパイオニアとして世界に知られ、さらに内視鏡による手術を日本に紹介し、普及に努めてきたことでも知られる。万国外科学会会長など、多くの国際医学団体の要職を務めた、日本の外科医療のオピニオンリーダー的存在。現在も東京都荒川区の南千住病院で、常に一人ひとりの患者さんを第一に考えた誠実な診療を続けている。日本外科学会名誉会長。日本臨床外科学会会長。外保連名誉会長。
  
  鈴木 寛 氏   ― 現場からの医療改革推進協議会 ―
  参議院議員。中央大学客員教授。
  1986 年東京大学法学部卒。通商産業省、シドニー大学、慶応義塾大学SFC 環境情報学部助教授を経て2001
 年より参議院議員(東京都)。民主党「次の内閣」文部科学大臣、副幹事長、政調副会長などを歴任。現在、参議院議員政治倫理選挙制度特別委員長、超党派の医療現場危機打開再建議連幹事長、民主党研究開発環境整備プロジェクトチーム座長など。現在も、中央大学、東京大学、大阪大学で教鞭を執る。
  
  豊田 郁子 氏   ― 医療事故当事者間を橋渡し ―
  2003 年3 月、医療事故により長男(当時5歳)を亡くす。医療者の同僚の支えもあり、再発防止を願い、その年の12 月より被害者支援の活動と医療事故に関する講演活動を始める。活動を新葛飾病院清水院長に認められ、安全対策室の設置に伴い、セーフティーマネージャーとして採用される。医療安全に関わるとともに、院内メディエーターも務める。東京大学医療政策人材養成講座第一期生。厚生労働省「診療行為に関連した死亡に係る死因究明等の在り方に関する検討会」委員。
  
  埴岡 健一 氏   ― 患者と医療提供者の協力 ―
  1959 年兵庫県生まれ。大阪大学文学部卒。1992 年7 月から1997 年3 月まで『日経ビジネス』のニューヨーク特派員と同支局長。1999 年4 月から 2003 年3 月まで骨髄移植推進財団(骨髄バンク)の事務局長。その後、『日経メディカル』編集委員。2004 年東京大学医療政策人材養成講座 特任助教授。2005 年患者のためのがん情報サイト「がんナビ」編集長、特定非営利活動法人日本医療政策機構理事。著書に『インターネットを使ってガンと闘おう』(中央公論社)、『もっといい社会、もっといい人生』(河出書房新社)など。