5月19日情報配信 内科学会、外科学会の声明 他

内科学会、外科学会の声明が出ています。

■日本内科学会による意見書
http://www.naika.or.jp/info/info080515.html

いつもお世話になっています。内科学会の見解です。慎重な表現になっており、諸手をあげて賛成とは読めなくなりました。強い危惧を表明しています。 三次試案のままで強行突破することは、かなり難しくなったと思います。


■日本外科学会による声明

まだ学会HP(http://www.jssoc.or.jp/index.html)に掲載されていないようですが、知人より声明文を頂きましたので、紹介いたします。
外科系の学会の声明文としては、他学会と比較してどうも首を傾げざるを得ません。


平成20年5月14日
声明
社団法人 日本外科学会

 厚生労働省の「診療行為に関連した死亡の死因究明等のあり方に関する検討会」において議論されている中立的専門機関としての医療安全調査委員会の設立の趣旨が厚生労働省第3次試案として提示されました。これに関して我々日本外科学会の見解を述べます。

 日常診療の中でも外科診療は最もリスクの高い医療であります。我々外科医が誠意と善意に基づいて診療を行ったとしても、その結果によっては、現時点では何時でも医師法21条による警察届出から刑事捜査の対象になる可能性があります。こうした現状が、小児科、産婦人科、外科における萎縮医療や医療崩壊の元凶となっています。
 厚生労働省第3次試案として提示された中立的専門機関としての医療安全調査委員会は医療者が自ら医療安全を目指して医療事故の原因究明と再発防止を図ろうとする新しい仕組みであります。現在の医師法21条の取り扱いを改めて、我々医療者を突然の逮捕や不合理な刑事訴追から守るためのものであるとともに、医の原点に立ち戻って、患者と医師の信頼関係を再構築するための新たな仕組みであると考えます。
 我々日本外科学会は第3次試案に提示された「医療安全調査委員会の設立」の精神を支持し、委員会が真に医療者と患者のためによりよい医療を目指すものとなるように、その成立に向けて努力します。また、この医療安全調査委員会が設立された暁には、この委員会の精神を正しく遂行するために、学会としてあらゆる協力を惜しまない所存です。
 医療は患者と医療者の相互の信頼の上に成り立っています。我々日本外科学会は、患者とともに、また国民とともに日本の医療を守る努力をする決意です。

 

■ 記者のこぼれ話 2008/05/15のキャリアブレイン
http://www.cabrain.co.jp/cbnews/20080515.html

  医療事故の原因を調査するための新しい制度(死因究明制度)に関して厚生労働省が示した「第三次試案」に対し、「大筋で賛成」という関係団体の意見が目立ちます。あれほど反対した「第二次試案」と大きな変更はないように思いますので、不思議でなりません。昨年、ある審議会が終了した後で、医師の刑事免責(過失の取り扱い)について、座長に「重過失と通常過失の線引きは難しいと思います。医師の過失はすべて違法性阻却で切れませんか?」と尋ねたことがあります。座長は「うーん、医療関係者がさ、『重過失は(処罰しても)いいよ』なんて乱暴なことを言うもんだからさ」と苦笑い。制度創設を急ぐ理由については、「社会保険庁が解体されたら、ほら、ここもガラガラになるじゃない」と笑顔で答えました。
   医療関係の団体はいろいろと反対の姿勢を見せてはいますが、結局は国とつながっている利益代表。現場の若い医師たちは、今こそ独自の連盟を組織して医療現場から国に強く主張してほしいと願っています。そして、そのような声を伝えていきたいと考えています。

 

■キャリアブレインニュース 2008/05/16 21:32
http://www.cabrain.net/news/article/newsId/16067.html

「医療安全調」は政策決定の変革を象徴
【特集・第11回】 死因究明制度

死因救命制度について検証させていただきました。
ご一読いただければ幸いです。

 

■日経メディカルオンライン 私の視点 from MRIC 2008.5.16
http://medical.nikkeibp.co.jp/leaf/mem/pub/opinion/mric/200805/506501.html

『安心と希望の医療確保ビジョン』第8回会議傍聴記
脅す相手が悪かった?
川口恭(ロハス・メディカル発行人)


傍聴記の速報はこちらにも掲載されています(ロハスメディカルブログ)
http://lohasmedical.jp/blog/2008/05/post_1201
http://lohasmedical.jp/blog/2008/05/post_1203

 


■ロハスメディカルブログ(http://lohasmedical.jp/blog/) 福島県立大野病院事件・最終弁論公判

福島県立大野病院事件・最終弁論公判(1)
http://lohasmedical.jp/blog/2008/05/post_1205

福島県立大野病院事件・最終弁論公判(2)
http://lohasmedical.jp/blog/2008/05/post_1206

 

■読売新聞 5月15日付け
論点: ニアミスで管制官有罪 「処罰優先」得られぬ安全

梶原 聡氏(日本航空機長組合副委員長。ボーイング747-400型機ライン操縦教官)の論説が掲載されています。残念ながら読売のサイトには掲載されていないのか見つけられませんでした。航空機事故においても、医療事故と同様、1)高度の専門分野に対する司法の判断は、現場感覚からの遊離している2)事故に対する個人責任の追及は事故の再発防止に逆行する、なぜならばエラーをした関係者は処罰を恐れて口をつぐむようになるであろう、とのコメントがあります。

 


関連サイト)
日本航空機長組合( http://www.jalcrew.jp/jca/ )
907便高裁判決に対する機長組合見解( http://www.jalcrew.jp/kyousen_pub/file/22-164_05月01日_907便高裁判決に対する機長組合見解.pdf )

 

■患者の視点から医療安全を考える連絡協議会(患医連)準備会(医療過誤原告の会、医療事故死民オンブズマン・メディオ、医療情報の公開・開示を求 める市民の会、医療の良心を守る市民の会、陣痛促進剤による被害を考える会、東京女子医大病院患者家族連絡会)

「医療過誤原告の会」「医療事故市民オンブズマン・メディオ」、「医療情報の公開・開示を求める市民の会」、「医療の良心を守る市民の会」、「陣痛促進剤による被害を考える会」、「東京女子医大病院 患者家族連絡会」の計6団体は、5月14日に医療安全調査委員会(仮称)の早期設立を求める統一意見を発表し厚生労働省に提出、および記者会見を行いました。

http://www.genkoku.jp/wp-content/uploads/2008/05/iken.pdf

 

■毎日新聞 2008年5月15日 東京夕刊
http://mainichi.jp/enta/geinou/news/20080515dde012200047000c.html

カンブリア宮殿:テレビ東京系のトーク番組、100回に 時代の半歩先のあり方探る

『100回以降、番組はどこに向かうのか。それを示唆するのが12日に放送された医療シリーズ第1弾「ゲスト聖隷浜松病院・堺常雄院長」だ。新聞などマスコミが大きく取り上げる救急患者のたらい回し。「患者がかわいそう」というヒューマニズムを強調する論調が目立つ一方、村上は「救急医療の現場はすでにシステム崩壊しているのではないか」と構造的にとらえる。』
との記載があります。