先日、2005年12月の荘内病院医療事故について、業過致死容疑で医師が書類送検されたという報道がありました。
院内の医療事故調査委員会で事故原因を結論づけ、ご遺族と和解した古い事案が、2007年3月の示談から1年経って蒸し返された形になっています。これでは、 医療は崩壊します。
報道内容からはいつ刑事告訴(ないし告発)されたかは窺えませんし、遺族や関係者からの告訴なのか、業務上過失と判断してのものなのか分かりませんが、警察は刑事告訴を受理すると、必ず検察庁に書類送検しなければなりません。そして、最後は検察庁が必ず起訴・不起訴の処分決定をします。
書類送検は、いわば警察から検察への捜査報告で、必ずしも起訴に直結するわけではありませんが、普通に考えて、書類送検されればそれだけで当事者にとっては多大なストレスとなります。さらに、今回のようにメディアで大きく取り上げられると、世間に書類送検=悪事を働いた、という悪い先入観をもたれ、社会的ダメージも受けることになります。
まして、事故調査を行いご遺族と和解の上での書類送検は、医療者にとってまさに心を折られる状況です。
今回の件は、医療事故調査の構造的問題点を露呈しました。
医療者のモチベーションを下げるには十分な強さを有しています。
制度の問題から、医療者崩壊が加速されていると感じます。
●40代男性執刀医を書類送検 05年の患者死亡医療事故
2008年2月25日(月) 21:26
山形新聞
http://yamagata-np.jp/newhp/kiji_2/200802/25/news20080225_0416.php
●市立荘内病院、手術で患者死亡 執刀医を書類送検
業務上過失致死容疑で
2008年2月26日
読売新聞(リンク切れです)
http://www.yomiuri.co.jp/e-japan/yamagata/news/20080225-OYT8T00687.htm
●荘内病院医療事故:業過致死容疑で医師を書類送検 /山形
2008年2月26日
毎日新聞
http://mainichi.jp/area/yamagata/news/20080226ddlk06040542000c.html