血液製剤:病原体の感染力なくす不活化技術導入へ 厚労省

本日、厚労省の検討会があります。先月の田中康夫議員の参議院予算委員会での質問以降、急速に進展しています。現場からの医療改革推進協議会でもWGを作っ て、取り組んでいます。この問題は、薬害を如何に克服するかを考える上で の、再発予防策の具体例と位置づけています。是非、皆様のお力をお貸しください。

 毎日新聞に血液製剤に関する記事が掲載されています。ぜひ、ご一読ください。

 また、現場からの医療改革推進協議会WGのサイトもご覧いただければ幸いです。 

●血液製剤:病原体の感染力なくす不活化技術導入へ 厚労省
毎日新聞 2008年2月27日 2時30分

http://mainichi.jp/select/today/news/20080227k0000m040133000c.html

 厚生労働省は、血漿(けっしょう)や血小板の輸血用血液製剤の製造に、病原体の感染力をなくす不活化技術を導入する方針を固めた。感染血が検査をすり抜ける危険性がゼロではなく、海外渡航者の増加や地球温暖化でエボラ出血熱や西ナイル熱など国内で発生していない病原体が侵入する危険性も高まっているため。専門家による委員会を27日に開き、具体的な導入計画の検討に入る。

 不活化技術は、薬剤と紫外線の照射を組み合わせ、病原体の核酸(DNAやRNA)に強い障害を起こさせて感染力を失わせる。血漿についてはベルギーとルクセンブルクが導入。英仏などでも限定的に導入し、米国も導入を予定している。

 日本は現在、献血者から採血後、病原体の核酸の一部を増幅する「核酸増幅検査(NAT)」で病原体混入の有無をチェックしている。しかし、B、C型肝炎とエイズの3疾患が対象で、デング熱など海外で多発している他のウイルス性疾患は調べていない。

 また、NAT導入によって、感染の危険性は、B型肝炎ウイルスが10万分の1以下、C型肝炎ウイルスとHIVが数百万分の1以下に低下した。しかし、献血者に占めるHIV感染者の割合が10万人あたり2人を超えるなど、感染血が検査をすり抜ける危険性が高まっている。

 専門家の委員会では不活化技術の効果や安全性などを検討。施設整備に約200億円、維持費に年間約80億円かかると見込まれるため、費用対効果も考慮し、不活化技術の具体的な導入計画を策定する。現時点ではこの方法が使えない赤血球については導入を見送る。今年夏までには報告書をまとめたい考えだ。【河内敏康】