石巻の医療に関して: 亀田総合病院 小野沢滋医師より


今後しばらくは、石巻を中心にあおぞら診療所の和田先生のグループ、PCATの方達、東京都多摩医師会の新田先生のグループ、キャンナスなどと地元の医師会や石巻赤十字病院をサポートしながら活動する予定です。
詳細は今後、詰が必要ですが、現時点では2つの活動が中心となる予定です。

1.石巻赤十字病院、及び周辺の後方病院への支援

  これは、医師の派遣などではなく、すでにオーバーヘッドで疲弊している病院の負荷を下げるための活動で、遊楽館という避難所をひとつの拠点に、退院はできるが、自宅がない人達の受け皿を作る、という活動と、そこからの後方地への遠隔避難の可能性を探るという活動です。

この活動に関して、読まれている関係者の方へのお願い

 遠隔地の後方避難場所として、住居、医療、介護、福祉が一体となったサービスが必要です。皆様のところで、そういった遠隔避難地を何とかつくっていただけないでしょうか。制度上の困難はほぼすべて解決済みです。
 また、周辺の病院はかなりのオーバーヘッド状態が続いています。もし、病院関係の方がいらっしゃれば、オーバーヘッドでも受け入れるよ、とおっしゃっていただける病院はありませんでしょうか。出来れば7:1看護体制をひけている病院がいいかと思います。被災者に関しては、オーバーヘッドとカウントされないので減算にはなりませんし、もともと10:1だったことを考えれば、なんとかなるかも。リハ病院も一時受け入れ先としては重要です。かなりの割合で、廃用が進んでおり、歩行が困難になっています。たとば直接、旅館などに受け入れるのではなく、1-4週程度一時的にリハ病院に受け入れていただき、ADLが上がってから旅館へというルートが望ましい方が少なからずいます。リハ病院と一体となった、遠隔避難サービスが必要です。

 このように様々な特徴を持った2次避難場所を遠隔地に薄く広く作る必要を感じています。皆様のお力で何とかならないでしょうか。


2.避難所、及び在宅避難患者への在宅医療の提供

 石巻ではDMATが非常に効率よく動いていますが、慢性期ニーズはやはり多いと感じます。これらの把握とそこへの在宅医療の提供が今後の課題です。こ
の点を地元医師会の先生方と行って良く予定です。

この活動に関して、読まれている関係者の方へのお願い

介護職員の方、訪問看護師の方、在宅医療を専門とする医師の方、他の地域でも同様の事が予想されます。どなたか、気仙沼以外の(気仙沼はたんぽぽクリニックの永井先生がモデルを作り、石巻もそれを参考にしています)他の地域で同様のニーズ把握や活動をしていただけないでしょうか。釜石、塩釜などは地形からいって、同様のニーズが有るのではと想像します。

とにかく年単位の長期戦になると思うので、持続可能な形の模索が必要そうです。