医薬品審査版の「判例研究」の論文がJCOに掲載されました

 フルダラビンが公知申請で適応拡大された件をレビューした論文が、Journal of Clinical Oncologyに掲載されました。医薬品審査版の「判例研究」です。

Critical Review of the Determination Process by the Japanese Reviewing Authority in Approving the Additional Efficacy of Fludarabine Phosphate

Hiroto Narimatsu1, Giichiro Oiso2, Shunsuke Ono3, and Masahiro Kami1
http://jco.ascopubs.org/cgi/content/abstract/JCO.2009.23.9020v1?ck=nck

 今回の承認の理由は、「医学の教科書に掲載されていること」「国内での使用例が多いこと」です。同様な背景をもつ薬剤の適応拡大が難渋し、医師主導治験などを行っていることとは対照的です。一部の薬剤は、このフルダラビンとは扱いが異なり、ダブルスタンダードとなっています。今後、厚労省・PMDAには説明責任が求めらていく必要がありそうです。「行政の説明責任・情報公開」がキーでしょうか。

 余談ですが、この論文は、成松君以外に、弁護士資格をもつ国立がんセンター 大磯先生、元厚労省・PMDAの小野俊介先生のコラボがあって初めて実行できました。