7 May 2009 (updated from 1 May 2009 )
海外旅行しても平気?
WHOは、インフルエンザA(H1N1) ウィルスのアウトブレイクに関連した海外旅行制限を、推奨していない。今日、世界旅行(global travel)はありふれたことであり、多くの人間が仕事やレジャーで世界中を移動している。海外旅行を制限することや渡航制限を強要することは、ウィルスの伝播を止めるためにはほとんど役立たないだろうし、世界共同体(global community)にとってはむしろ混乱のもととも言えるだろう。
インフルエンザ A(H1N1)はすでに世界の各地で確認されている。世界的な動きとして、国際間の伝播を防止することを重視するよりは、症例を早期に同定することによってウィルスの驚異を最低限に抑えること、患者へ適切な医療処置を提供することに焦点をおくようになってきている。
インフルエンザの兆候を旅行者から見つけ出すことはアウトブレイクの経路を追跡する助けにはなるけれども、インフルエンザの伝播を減らしはしないだろう。なぜなら、ウィルスは症状が出てくる前にヒトからヒトへと伝染してしまうからである。
海外旅行の制限がインフルエンザの伝播を止めるのにほとんど、あるいは全く役に立たないということは、数理モデルに基づいた科学的な研究によって示されている。以前のインフルエンザ大流行の記録や、SARSでの経験からも、このことは確認できる。
感染した人が旅行していないかどうか確認するために入国あるいは出国の際に検疫することを、WHOは推奨するか?
答は「No」である。WHOは、検疫がこの疾患(新型インフルエンザ)の広がりを減らすとは考えていない。しかしながら、改正国際保険規則IHR(2005) (the International Health Regulations 2005)においては、公衆衛生上のリスクに応じて各国で(検疫を)検討することは、それぞれの国の専門家の決断による。
国際交通を著しく妨げる(例:航空機を利用する旅客を24時間以上待たせる、旅行者に出入国させない)方策を選択した国々は、WHOに対して、公衆衛生的理由と、エビデンスを示さなければならない。WHOは、参加国と共に、これらの問題の追跡調査をしていく。
旅行者は、常に、人権に照らして、尊厳と敬意をもって、遇されるべきである。
自分が旅行するときには、どうやってインフルエンザA(H1N1)から身を守ればよいでしょうか?
病気にかかった人は、これから出る旅行の予定遅らせるべきである。帰国者が発症した場合には、かかりつけの医療者に連絡をとるべきである。
旅行中でも日常生活でも行えるような、簡単な予防策を実践することによって、旅行中に自分が感染したり周囲の人に感染させたりということを予防することができる。
このページは、WHOのEpidemic and Pandemic Alert and Response (EPR)から、新型インフルエンザに関するサイトを翻訳して掲載しています。
( http://www.who.int/csr/disease/swineflu/frequently_asked_questions/travel/en/index.html )