医療事故調関連の動き

大野病院事件の判決後、医療事故調関連の話題が再び出てきています。

 

■キャリアブレイン 2008/09/03 18:18
医療事故の報告範囲を再通知―厚労省
http://www.cabrain.net/news/article/newsId/18014.html


■日経メディカルオンライン 私の視点 from MRIC 2008. 9. 1
医療者の大多数は反対または要修正 厚生労働省第3次試案に対するパブリックコメントの分析
木内淳子(大阪船員保険病院麻酔科部長)、客野宮治(大阪船員保険病院泌尿器科部長)、江原一雅(神戸大学医療安全室副室長)
http://medical.nikkeibp.co.jp/leaf/mem/pub/opinion/mric/200809/507660.html


■m3医療維新インタビュー 長崎県諫早医師会会長・高原晶氏に聞く 2008年9月16日
日医の"事故調"厚労省案支持に異議あり
独自調査に960郡市医師会中447が回答、「賛否を聞かれた」は1割
http://www.m3.com/tools/IryoIshin/080916_1.html


■メディファクス5488号 2008年9月17日
第3次試案「議論していない」郡市区医師会の7割 諫早医師会調査

 死因究明制度の創設に向け厚生労働省が提案している第3次試案の賛否について、議論していない郡市区医師会は7割に上ることが長崎県の諫早医師会が実施したアンケート調査で分かった。日本医師会が4月に発表したアンケート結果では都道府県医師会の8割が第3次試案の創設に賛成しているが、諫早医師会の高原晶会長は「(郡市区医師会では)ほとんど話をしていない。もっと話し合いが必要ではないか」と指摘している。
 諫早医師会は8月に全国の郡市区医師会960団体にアンケート用紙を送付し、愛知県碧南市団体(回収率46.6%)から回答を得た。
 日医や都道府県医師会から厚労省案への賛否を聞かれたかとの問いに、88.4%が「質問されたことはない」と回答。「質問されたことがある」は10.7%だった。
 厚労省案の賛否を理事会など正式な場で議論したかとの問いには、72.7%が「賛否を議論していない」と回答。「賛否を議論した」は5.6%、「議題になったが賛否は決めていない」は21.3%だった。
 一般会員への説明会などの実施は「行っていない」が95.8%を占めた。さらに6月に発表された民主党案については「内容を知っている」と答えたのはわずか9.4%。厚労省案と民主党案との比較では、「民主党案がよい」の2.5%に対して「厚労省案がよい」は0.5%。「未回答・どちらとも言えない」は計97.1%だった。
 諫早医師会によると「アンケートをきっかけに死因究明制度を議論する」「この問題を会員に周知させる」などの意見が多く寄せられたという。
 諫早医師会は今月12日付で日本医師会に要望書を送付した。死因究明制度に関して厚労省案だけでなく、民主党案も含めて十分な情報を会員に広報し、あらためて日医としての見解をまとめることを求めている。


■キャリアブレイン 2008/09/02 17:27
死因究明の大綱案に反対―救急医学会
http://www.cabrain.net/news/article/newsId/18000.html

■キャリアブレイン 2008/09/01 21:20
医療事故原因究明で試案骨子―全医連
http://www.cabrain.net/news/article/newsId/17989.html

 

■メディファクス5488号 2008年9月17日
メディエーター活用した死因究明制度を 民主足立参院議員

 民主党の足立信也参院議員は14日、死因究明制度の創設に向け厚生労働省が提案している第3次試案に反対を表明している長崎県の諫早医師会で、同党の死因究明制度について講演した。足立氏は「良質な医療とは納得できる医療だ」と述べ、民主党案は死亡診断を充実させた上でメディエーターを活用し、医師と患者の対話を促進させる案だと説明した。
 講演会は諫早医師会が主催し、県内の郡市区医師会などから約50人が参加した。
 死体などに異状がある場合の警察への24時間以内の届け出義務を規定した「医師法21条」について、足立氏は「異状」の定義があいまいなため、過去の医療事故裁判で判決ごとに異なった見解が示されていると指摘した。
 民主党案では医師法21条の削除を提案する。代わりに、どのような場合に死亡診断書や死体検案書、死産証書を交付するかを明確にする。その上で、甲府に当たらない事案に限って24時間以内に警察署に届け出るようにすることを想定している。
 足立氏は、医療事故で警察が捜査に入った場合、医療現場と患者の対話が遮断され、「何が起ったか知りたい」との患者の願いが打ち消されると問題視した。厚労省が提案する死因究明の第三者機関「医療安全調査委員会(仮称)」でも、同様に調査が始まった段階で対話が遮断されると指摘した。
 足立氏は、民主党の死因究明制度では、まず院内事故調査委員会が調査に当たると説明。調査委員会が調査結果を説明する際にはメディエーターが医師と患者の間に入り、対話を促進させる。患者・家族が納得できない場合には第三者機関の「医療安全支援センター」でさらに原因究明を行う。同センターは患者の求めに応じてADR機関の紹介も行う。
 足立議員は「日本の医療は良質だとWHOから評価されているが、国民の6割は日本の医療に不満を持っている」と述べ、医師と患者の認識のギャップを埋めるためのメディエーターの活用が重要だと強調した。
 超党派の議連で死因究明制度の議員立法を提案すべきとの声が上がっていることについて、足立氏は「民主党案を基本に超党派で法案化できると思っている」と述べ、議員立法かは可能との考えを示した。
 最期に「死因究明制度の創設だけでは医療事故を予防することはできない」と述べ、医療事故を減少させるには看護師などコメディカルスタッフの数を増やすことが必要と指摘した。必要な財源については、天下りの廃止やたばこ税の増税、医療保険制度の改革などで賄うことができるとした。