日経ブロードバンドニュース 8/15

■日経ブロードバンドニュース 8/15
医療界注目の判決、20日に福島地裁で
http://www.nikkei.co.jp/bb/index.html
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以下、概要です。

 

■なぜ医療界の関心が高いのか

 妊婦は癒着胎盤という胎盤と子宮が癒着している難しい状況だったのを、無理に引き剥がそうとして大量出血し死亡したというのが警察・検察側の主張だが、癒着胎盤は事前の診断が難しく、対応も難しいと医学会では認識されている。医療側から見ると、医師は一生懸命患者を救おうとして、結果的に不幸な事態となったわけで、最善を尽くしたにもかかわらず逮捕され、有罪となるのではやっていられないとの憤懣が渦巻いているため、判決への注目が高まっている。


■医療過誤裁判は過去にも多いが

 患者取り違えとか医療側の明らかなミスでなく、通常の正当な医療行為をして罪に問われるのかという怒りや驚きが医療側にあることが一つ。さらに最近の医師不足で特に産科医などは激務に追われている状況がある。当直明けにそのまま通常勤務というのが珍しくないのにかかわらず、医師、特に勤務医は給料など待遇もよくない。献身的に働いてそれで、罪になるという状況は許せないというのが医師側の言い分だ。


■医療事故原因を解明するための調査組織設立の話もある

 医療安全調査委員会だが、これは大野病院事件を契機に設置の動きが早まったという経緯がある。しかし、厚労省が出してきた案では、医師が通常の医療行為をしていて刑事責任を問われるという懸念がぬぐえないとして医療界に反発が多くて発足のメドは立っていない。この判決次第ではさらに設置が遅れることも考えられる。


■判決の国民への影響は?

 有罪判決が出れば、お産を取りやめると主張する医師もおり、難しい手術を嫌がる病院が増えるなど、影響は相当あるだろう。ただ医療事故には被害者もいて、遺族らは原因究明、再発防止を願っている。医療行為中の事故は全部免責と簡単に片付けることもできない。医療は患者と医師の双方でできあがっているものだけに、一方に偏るのではなく、公平な透明な制度をつくっていきたい。