情報提供:医療事故調に関する厚労省の説明の齟齬について

本日の国会質問で、医療事故調に関する厚労省と法務省・警察の説明に齟齬があることが明らかになりました。

 

 


これまで『厚労省によると、法務局や検察庁などからは、この案(第三次試案)の公表について了解する旨の覚え書きを得ているといい、同省としては「刑事訴追については『謙抑的』な対応をすることで了解を得ているものと考えている」』(日経メディカルオンライン 2008.4.3)と考えられてきました。

しかし、4月22日の衆院決算行政監視委員会で、橋本岳議員の「厚労省は法務省・警察庁との間でどの程度まですり合わせをしているのか。そのようなすりあわせの中で、合意するような文書なりなんなりがあるのか」という質問に対し、「特段、警察庁と厚労省との間で交わした文書はございません(警察庁 米田刑事局長)」「ただいま文書というようなご指摘がありましたけれど、そのような文書を交わしたという事実はございません(法務省 大野刑事局長)」と法務省および警察庁が答弁しました。

厚生労働省の説明が待たれるところです。

 


○質疑の映像
http://www.shugiintv.go.jp/jp/wmpdyna.asx?deli_id=39012&media_type=wn&lang=j&spkid=11744&time=02:39:37.1

○発言内容の書き起こし
http://expres.umin.jp/info/acv/2008/04/422.html

 

過去の厚労省官僚の発言です。

1)日本医事新報 No.4381 (2008年4月12日)
NEWS 死因究明制度で第三次試案-厚労省

p6『捜査機関との関係については「別紙」(9項)として、厚労、警察、法務の3省庁で合意したとする内容がQ&A形式で示されている。』

→この『(別紙)捜査機関との関係について』には、

(問1に対する答として)
『刑事手続きについては、委員会の専門的な判断を尊重し、委員会からの通知の有無や行政処分の実施状況等を踏まえつつ、対応することとなる。』
『その結果、刑事手続きの対象は、故意や重大な過失のある事例その他悪質な事例に事実上限定されるなど、謙抑的な対応が行われることとなる。』
(問3に対する答として)
『この場合、検察の起訴や刑事処分は、行政処分の実施状況等を踏まえつつ行われることになる。』


p8(行政処分に関する記載において)
『佐原室長は、今後行政処分が刑事処分の前に行われるようになれば、「行政処分に追加してさらに刑事処分が行われることはなくなる」との見解を法務省が示していることを明らかにした。』


2)日本医事新法 No.4379(2008年3月29日)

p8 NEWS 死因究明制度 「通知制度がなければ警察が独自に動く」 厚労省の二川課長が講演
(3月14日の日本医療法人協会の代議員会での二川課長の講演)

『二川課長はこの制度を「警察が独自に動くことをブロックする仕組み」と説明』
『(まず調査委員会で調査することを)法律上担保できないか」との質問に対し、二川課長は「 警察は通知の有無を踏まえて対応する。通知がない場合は調査委員会での調査を勧める」と説明した。』

 

3)日経メディカルオンライン

2008.4.3 シリーズ●どうなる?医療事故調《5》
事故調第三次試案、ここが変わった!
医療機関への行政処分や黙秘権など進展、過失の法的判断については変わらず
http://medical.nikkeibp.co.jp/leaf/mem/pub/report/200804/505980.html

『厚労省によると、法務局や検察庁などからは、この案の公表について了解する旨の覚え書きを得ているといい、同省としては「刑事訴追については『謙抑的』な対応をすることで了解を得ているものと考えている」という。』


4)日経メディカルオンライン

2008. 1. 23 【連載】どうなる?医療事故調《2》
「医師法21条、現状維持でいいんですか?」
厚労省医療安全推進室長の佐原康之氏に聞く
http://medical.nikkeibp.co.jp/leaf/mem/pub/report/200801/505352.html

『──謙抑的ということですが、検察が事故調の報告書を見て安易に立件するようになったりしませんか。

佐原 検察は何でも立件しているわけではありませんから。検察も、「事故調からの通知の有無を十分踏まえてやっていきます」と言っています。しかも、「事故調のような仕組みがきちんとできるのであれば、検察は引っ込む」とまで言っているのですから、そこを信用してもらえなかったらこの話は進みません。』