本講座のスタッフの多くは、東京大学医学部付属病院、国立がんセンター中央病院、虎の門病院などの中核病院にスタッフとして勤務し、血液内科、特に骨髄移植の臨床・研究活動に従事してきました。 1990年代後半からのミニ移植(Kami et al., JJCO, 2004) (Hamaki T, Bone Marrow Transplant, 2005)、 臍帯血移植(Miyakoshi et al., Clin Cancer Res, 2005 (Kishi et al., Transplantation, 2005) (Komatsu et al, Ann Hematol, 2007) の開発に大きな貢献を果たし、過去10年間で約200の英文論文を発表し、臨床研究の計画・遂行・発表に関しては多くのノウハウを蓄積していると自負しています。 臨床研究の基本は症例の蓄積と考え、徹底的な症例の議論に基づく、症例報告の作成に重点を置いています。
2005年現在のがん患者の年齢中央値は64歳です。 しかしながら、大学病院やセンター病院で治療される患者、あるいは臨床試験に参加される患者の多くは若年者です(堀 明子ら、日本血液学会総会、2005)。 現在の治療体制は、あらゆる意味でがん患者の大部分を占める高齢患者に適応できていません(上 昌広 PDF 336KB)。 私たちは、がん治療体制の問題点を解決するため、以下のような研究活動を行っています。
東大医科研内科 湯地医師、および東海大学腫瘍内科江口教授が主任研究者を務める厚生科学研究に参加しています。 児玉有子が中心となって、がん在宅治療の事例研究を遂行しています。
上 昌広が中心となり、各地域の患者受診動態を調査しています。 上は国立がんセンター在職中に国立がんセンター幹細胞移植グループへの受診患者の分布を調査しました。驚くべきことに、国立がんセンター中央病院でさえ、半数以上が半径20km以内から受診しているのです(村重直子ら、2005年度日本血液学会総会)。 この事実は、医療は、たとえ先端医療であったとしても、地域に密着せざるを得ないことがわかりました。 現在、東京都多摩地区、大阪府、徳島県、茨城県をベースに実地調査を遂行しています。 このようなデータをベースに、21世紀の医療体制を具体的に議論したいと考えています(上 昌広 PDF 336KB)
がん患者の大部分は自宅の近くの中核病院にて治療を受けています。 大部分は高齢者で、さまざまな合併症を抱えているため、画一的な臨床研究プロトコールには登録できず、その治療の実態は不明瞭です。 この点に関する上 昌広の意見は「治療 2005 vol 87」にて述べています(PDF 1.5MB)。 私たちは、Pt-Net という共同研究グループを立ち上げ、このような患者さんの治療成績・満足度改善を目指した共同研究を遂行しています。 Pt-Netは当研究室以外に帝京大学ちば総合医療センター、筑波記念病院、東京都立老人医療センター、JR東京総合病院、医療法人社団りんご会東十条病院の血液内科が参加しています。
上 昌広が大学院生時代より取り組んできた分野で、深在性真菌症の画像診断、遺伝子診断に関しては世界的に評価いただいています。 後者に関しては大塚アッセイ(当時)と共同研究し、アスペルギルスの定量的遺伝子診断方法であるGeniQアスペルギルスの開発に従事しました (Kami et al., Clin Infect Dis, 2001)。 骨髄移植患者における真菌感染症についても研究を進め、2006年度にはミニ移植における真菌感染予防についての総説を発表しました (Kami et al., Tranplant Infect Dis, 2006)。 現在は、厚生労働科学研究新興・再興感染症研究事業 上原班の一環として、久住英二と共同で固形癌患者における真菌感染症について調査研究を進めています。
臨床腫瘍学
血液悪性腫瘍学、造血幹細胞移植学
本講座のスタッフの多くは、東京大学医学部付属病院、国立がんセンター中央病院、虎の門病院などの中核病院にスタッフとして勤務し、血液内科、特に骨髄移植の臨床・研究活動に従事してきました。
1990年代後半からのミニ移植(Kami et al., JJCO, 2004) (Hamaki T, Bone Marrow Transplant, 2005)、 臍帯血移植(Miyakoshi et al., Clin Cancer Res, 2005 (Kishi et al., Transplantation, 2005) (Komatsu et al, Ann Hematol, 2007) の開発に大きな貢献を果たし、過去10年間で約200の英文論文を発表し、臨床研究の計画・遂行・発表に関しては多くのノウハウを蓄積していると自負しています。
臨床研究の基本は症例の蓄積と考え、徹底的な症例の議論に基づく、症例報告の作成に重点を置いています。
高齢者に対するがん治療体制の研究
2005年現在のがん患者の年齢中央値は64歳です。 しかしながら、大学病院やセンター病院で治療される患者、あるいは臨床試験に参加される患者の多くは若年者です(堀 明子ら、日本血液学会総会、2005)。 現在の治療体制は、あらゆる意味でがん患者の大部分を占める高齢患者に適応できていません(上 昌広 PDF 336KB)。 私たちは、がん治療体制の問題点を解決するため、以下のような研究活動を行っています。
在宅医療
東大医科研内科 湯地医師、および東海大学腫瘍内科江口教授が主任研究者を務める厚生科学研究に参加しています。 児玉有子が中心となって、がん在宅治療の事例研究を遂行しています。
患者受診動態解析
上 昌広が中心となり、各地域の患者受診動態を調査しています。 上は国立がんセンター在職中に国立がんセンター幹細胞移植グループへの受診患者の分布を調査しました。驚くべきことに、国立がんセンター中央病院でさえ、半数以上が半径20km以内から受診しているのです(村重直子ら、2005年度日本血液学会総会)。
この事実は、医療は、たとえ先端医療であったとしても、地域に密着せざるを得ないことがわかりました。 現在、東京都多摩地区、大阪府、徳島県、茨城県をベースに実地調査を遂行しています。 このようなデータをベースに、21世紀の医療体制を具体的に議論したいと考えています(上 昌広 PDF 336KB)
高齢がん患者を中心とした臨床研究
がん患者の大部分は自宅の近くの中核病院にて治療を受けています。 大部分は高齢者で、さまざまな合併症を抱えているため、画一的な臨床研究プロトコールには登録できず、その治療の実態は不明瞭です。 この点に関する上 昌広の意見は「治療 2005 vol 87」にて述べています(PDF 1.5MB)。
私たちは、Pt-Net という共同研究グループを立ち上げ、このような患者さんの治療成績・満足度改善を目指した共同研究を遂行しています。 Pt-Netは当研究室以外に帝京大学ちば総合医療センター、筑波記念病院、東京都立老人医療センター、JR東京総合病院、医療法人社団りんご会東十条病院の血液内科が参加しています。
臨床真菌学
上 昌広が大学院生時代より取り組んできた分野で、深在性真菌症の画像診断、遺伝子診断に関しては世界的に評価いただいています。 後者に関しては大塚アッセイ(当時)と共同研究し、アスペルギルスの定量的遺伝子診断方法であるGeniQアスペルギルスの開発に従事しました (Kami et al., Clin Infect Dis, 2001)。
骨髄移植患者における真菌感染症についても研究を進め、2006年度にはミニ移植における真菌感染予防についての総説を発表しました (Kami et al., Tranplant Infect Dis, 2006)。
現在は、厚生労働科学研究新興・再興感染症研究事業 上原班の一環として、久住英二と共同で固形癌患者における真菌感染症について調査研究を進めています。