がん臨床研究に不可欠な症例登録を推進するための患者動態に関する研究
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分担研究報告 透析患者における患者動態研究



研究者


分担研究者

小原まみ子 亀田総合病院 腎臓高血圧内科

研究協力者

平岩卓真 東京大学医学部医学科

研究要旨

目的:がん臨床研究の円滑な運用には地域特性によって異なる患者動態を把握することが不可欠であり、本研究は医療過疎地域における患者動態と医療提供体制の問題点を明らかにすることを目的とする。
 方法:性別5歳階級別患者数が公表されている慢性透析導入患者を対象とした。千葉県において市町村別推定慢性透析導入患者数を算出し、亀田総合病院の調査で得られた慢性透析導入患者動態との比較を行った。また、県内の医師、透析導入施設、日本透析医学会および日本腎臓学会の専門医分布を調査した。
 結果:千葉県全体の年間推定慢性透析導入患者数は10万人あたり25.3人と全国平均(27.0人)よりも少なかった。2次医療圏別に比較すると、東京都に近い東葛南部、東葛北部、千葉医療圏では県平均より少ないのに対し、県東部から南部にかけての香取海匝、夷隅長生、安房医療圏では30人/人口10万人を超え、地域格差が見られた。亀田総合病院で透析導入を行った患者は県南部に広く分布しており、特に近隣の鴨川市、勝浦市、大多喜町、御宿町では推定患者数の90%以上を占めており、診療圏は2次医療圏をまたぐ形になっていた。医師、透析導入施設は千葉市以西に集中していた。単位人口(10万人)あたりの医師数で比較すると千葉医療圏と安房医療圏では同水準であったが、単位面積(100km2)あたりでは千葉医療圏で830.3人、安房医療圏で65.5人と大きな格差が見られた。深刻な医療過疎を抱える山武地域の単位人口および単位面積あたり医師数は、君津医療圏と同水準であった。
  考察:医療過疎と言われる県東部から南部は高齢化が進行しており、この地域の推定透析導入患者数は少なくないが、透析導入施設、専門医は千葉市以西に集中している。診療圏と2次医療圏の不一致、各地域の医療過疎の実態の差異などから、地域の実情に応じた柔軟な対応策が求められる。

  
このサイトに関するお問合わせ先:東京大学医科学研究所 先端医療社会コミュニケーションシステム 社会連携研究部門
(旧:探索医療ヒューマンネットワークシステム部門) 上 昌広 
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