研究結果
(1)患者動態調査
1)推定患者数
市町村別推定罹患者数を図1に図示する。これを元に2次医療圏別推定罹患者数(図3-e)、県全体の推定罹患者数を算出した。県全体の推定患者数は279人であり、10万人当たり34.2人であった。
図1 市町村別推定罹患者
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2)単位人口・面積当たり医師数
2次医療圏毎の単位人口(10万人)及び単位面積(100平方キロメートル)当たり医師数を図に示す(図2)。県庁所在地である徳島市を含む東部T医療圏では単位人口当たり医師数は301人、単位面積当たり医師数は205人である。一方、過疎化が進行している西部U医療圏では単位人口当たり医師数は192人であるが、単位面積当たり医師数は11人であった。
図2 2次医療圏別単位人口及び面積当たりの医師数
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3)患者動態血液内科医による診療が行われている病院は9病院あり、そのうち血液内科中核医療機関は6病院である。これまでに調査協力の得られた3病院について患者動態調査を行った。病院毎に患者居住地を市町村別に集計し図示した(図3-a,b,c)。いずれの病院も患者の70%以上が病院所在地から半径約25km以内に居住していた。さらに2次医療圏毎に患者分布を集計し、推定罹患者数と比較した(図3-d,e)。
徳島県内の、血液内科を標榜し入院病床を有する中核医療機関(以下、血液内科中核医療機関)の御協力を得、これらの血液内科中核医療機関に任意の6ヶ月間或いは1年間に初回入院した患者の自宅の郵便番号データを収集した。
図3 徳島県における患者動態調査
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(2)医師動態
徳島県内では23人の血液内科医が診療に従事している(平成18年11月現在, 図4)。
このうち21人は県内の大学内科医局関係者である。血液内科中核医療機関に勤務するのは20人であり、徳島市内の血液内科中核医療機関は17人である。推定患者数をもとに血液内科医一人当たり1ヶ月当たりの新規患者数は1.0人である。非常勤勤務を有する血液内科医15人のうち、14人は徳島市或いは徳島市周辺であった(図5)。
図4 徳島県における血液内科医の分布
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図5 血液内科医の非常勤勤務動態
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立法及び行政関係者6人、病院関係者6人 地元開業医2人にヒアリングを実施した(表1)。
表1 ヒアリング
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